
2026年12月1日からブラジルで日本人を対象としたワーキングホリデービザ制度が実施されます。そこでビザ申請、ブラジルでやるべきこと、ブラジル社会の現実問題を含めた情報をまとめてみました。
ブラジル・ワーキングホリデービザの条件

ワーキングホリデーといっても日本人全員が対象ではなく、以下の条件にあてはまる人だけに限ります。
- 申請時に18〜30歳であること。
- 申請時に日本国籍かつ日本在住であること。協定本文に日系人であるかどうか・日本語能力・学歴の要件はなし
- 扶養家族の同行は不可。ただし家族自身が別途滞在資格を持つ場合は例外。
- 帰国航空券または購入資金、初期滞在資金、医療保険、健康状態、犯罪歴のないこと等が必要。(最低金額は協定本文に明記されていません)
- ポルトガル語力は問われない。ポルトガル語が不十分という理由だけでビザを拒否することはできないと規定されています。(ただし就職には実際かなり重要です)
- 滞在期間の延長や滞在資格の変更は認められない。
- ビザ手数料については協定本文では「無料」と明記されているものの、なにかしらの料金が発生する可能性はあり、領事館の正式案内を待ちましょう。
- 申請方法は、ブラジルの在日公館にて申請すること。
ソース元(日伯ワーホリ協定本文)
以上が日本側でやるべき手続きです。今後申請が実際に開始されるまでに変更がある可能性も十分にあるので詳しくは在日公館に問い合わせてみてください。
ブラジル側の手続き

ビザさえもっていればすぐにブラジルで働けるというわけじゃないです。これがかなり重要かつ面倒な点で、正規の仕事をする人はブラジルに着いてから以下のような手続きを踏む必要があります。
1. 連邦警察で外国人登録
一時滞在ビザ保有者は、ブラジル入国後90日以内に連邦警察へ登録する必要があります。
登録後、以下を取得します。
- RNM:外国人登録番号
- CRNM:外国人登録カード
申請場所は近くの邦警警察署。必要書類の例は、パスポート、ビザ申請用紙の原本、オンライン申請フォーム、写真などです。CRNM発行手数料は2026年現在R$204.77です。(ブラジル連邦警察・一時ビザ保有者の登録)
2. CPFを取得
CPFとはブラジルの個人納税者番号のことで仕事、銀行口座開設、携帯電話契約、賃貸契約はもちろん、スーパーなどで買い物するときでさえ聞かれるブラジル社会においての必需品です。仕事する、しないに関わらず長期滞在する人はCPFは必ず取得しておきましょう。
申請場所はPoupatempo(総合行政サービスセンター)、Receita Federal(連邦税務局)または対応する提携窓口にて。
3. Carteira de Trabalho Digitalを登録
Carteira de Trabalho Digitalとはブラジルのデジタル労働手帳です。CPFとgov.brのオンラインアカウントを使って利用します。
ブラジルで正式に働くには、原則として以下が必要です。
- 就労を認める有効なビザまたは滞在許可
- CPF
- 雇用主によるeSocial登録
外国人もブラジル人と同じ労働者保護の対象で、雇用に仲介業者は必須ではありません。(ブラジル労働雇用省・移民労働者FAQ)
ブラジルでの雇用契約の際の注意

求人を見るとき、雇用契約を交わすときは、以下を必ず確認しておきましょう。
- 月給か時給か
- 税引前の給与か税引後か
- 住居・食事が含まれるか
- 交通費が出るか
- eSocial登録があるか
- 13か月給与(ボーナス)・有給休暇はあるか
- 試用期間の条件はどうなっているか
- 給料日
注意すべき求人
以下は避けたほうがよいです。
- パスポートを預けろと言う雇用主
- 給料や勤務時間を契約書に書かない
- 高額な保証金を要求する
- 住居費や食費を理由なく給与から大幅に差し引く
- 違法な高収入、モデル、接客、夜職などの勧誘
- SNSだけで契約を急がせる
- 借金を背負わせて渡航させる
非正規雇用

ブラジルにおいて正規労働のことをcarteira assinadaといいますが、実際多くの仕事は正規の手続きを踏まないで行われています。これは税金が高いため、雇用主からすると雇う人をいちいち正社員にしてられないという現実があるからです。
正直なところ、たとえワーキングホリデービザでブラジルに行ったところで正規雇用として働ける日本人はごくわずかでしょう。
よっぽど特殊技術を持っているとかならまだしも、ブラジル企業、雇い主からしたら1年未満しか滞在せず、ポルトガル語もろくに話せない、将来性のない外国人に対し、高い税金、ボーナス、有給休暇などを払って雇うメリットがないからです。
あるとしたら、例えば日本語学校で週2回クラスを受け持つとか、日系の文化協会の手伝いをするとか、フリーで単発の仕事をするなどといった形になるはずです。
建前上ワーキングホリデービザが非正規雇用を推奨することは絶対ないものの、これがブラジルで働くことの現実だと思います。たとえそうだとしてもすでに紹介したCPFと外国人登録はやっておきましょう。
ブラジルの給料ではまず生活できない

もう一つの現実問題として、ブラジルの給料ではまず一人で生活していくことは無理ということです。2026年のブラジル全国最低賃金は月R$1,621(約5万円)です。その一方で都市部でワンルームアパートを借りるなら、2000~3000レアル(約6万2千円~9万3千円)は普通にします。つまりどうやりくりしたって生活できないんです。
もちろん都市部から離れたり、治安の悪い地域に行ったり、大勢で部屋をシェアしたりすればもっと安いところが見つかるかもしれませんが、それにしたって食費、光熱費、携帯代、交通費を含めたらまず給料だけでは生きていけないでしょう。なので給料をあてにするのはやめて、余裕を持った滞在費用を準備しておきましょう。
ブラジルのワーキングホリデービザのメリットってあるの?

仕事面についてはブラジルのワーキングホリデービザは正直ほぼメリットが感じられないです。おそらく日本側が外国人労働者が欲しくてこの協定を結んだんじゃないかと思います。だって普通に考えて失業率も高く、給料も安いブラジルに日本人がわざわざ働きに行かないですよね。
一方最大のメリット、それは発給日から1年間ブラジルに滞在できることに尽きます。2027年3月1日にブラジルへ入国した場合、原則として2028年3月1日頃まで滞在できるのです。
その間、ブラジル中を旅行するのもいいし、カポエラ、柔術、サンバ、サッカー、ポルトガル語学習などに没頭するのもいいでしょう。とにかく1年間ビザのことを気にせず生活ができるという意味では大きいので、この機会にぜひともブラジルを訪れてみてください。


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