ポルトガル語のporとparaの違い徹底解説

ポルトガル語の前置詞porとparaは似ているような似ていないようなややこしさがあります。そこで今回はporとparaの様々な使い方を解説していきます。

ポル語る講座の受講生の方からこんな質問をいただきました。ありがとうございます。

こんにちは。前置詞のparaとporの使い方の違いがいまいち分かりません。どのような時にparaを使えば良いでしょうか。よろしくお願い致します。

 

それではさっそく両者の違いを解説していきたいと思います。

前置詞のporとparaの主な違い

前置詞のporとparaは大きく分けると次のような違いがあります。

porは、原因、動機、理由を表す(~によって/~だから)

paraは、目的を表す(~のために)


1、Ela chorou por ciúme. 彼女は嫉妬で泣きました(原因)
2、 O bebê chora para expressar os sentimentos.  赤ちゃんは感情を表現するために泣きます(目的)

1のporは「por causa de(~が原因で/~のせいで)」と置き換えることもできます。

2のparaは「a fim de(~が目的で)」と置き換えることもできます。

しかしながらこれらはあくまでも主な違いであって、実際はそれぞれに細かい使い方があります。ではまずporの使い方から見ていきましょう。

前置詞のporの使い方

期間、所要時間、頻度を表すpor

1、Ele vai ficar no Brasil por três meses.   彼はブラジルに3か月間滞在します

2、Estudei inglês por 8 anos. 私は英語を8年間勉強しました

3、As aulas de capoeira acontecem duas vezes por semana.  カポエイラのクラスは週に2回あります

この場合のporは、期間、所要時間、頻度を表すときに使われます。

価格を表すpor

1、Comprei o livro por 50 reais.  私は本を50レアルで買いました

2、O meu pai vendeu a casa por 350 mil reais.  私のお父さんは家を35万レアルで売りました

この場合のporは、価格を表すときに使われます。

交換、代替を表すpor

1、Poderia trocar o vestido branco pelo azul? 白いドレスを青いのに替えてもらえますか?

2、Você pode substituir a farinha de rosca por pão duro.  パン粉の代わりに固いパンを代用することができます 

この場合のporは、交換、代替を表すときに使われます

(あいまいな/ざっくりした)場所を表すpor

1、Tem um restaurante japonês por aqui? ここら辺に日本食レストランはありますか?

2、O meu sonho é viajar pela Europa.  私の夢は欧州のあちこちを旅行することです

この場合のporは、主にざっくりとした場所を表すときに使われます

経路/経由を表すpor

1、O bandido fugiu pela janela. 強盗は窓から逃げました

2、O Rodrigo passou pelo Rio de Janeiro. ホドリゴはリオを通っていきました

この場合のporは、経路や経由を表すときに使われます

方法、手段を表すpor

1、Te envio tudo por e-mail.  全部あなたにメールで送ります

2、Falamos por telefone ontem.  私たちは昨日電話で話しました

3、O meu irmão comprou a moto pela internet. 私の兄弟はバイクをインターネットで買いました

この場合のporは、方法や手段を表すときに使われます

「~の代わりに」を意味するpor

1、Não queria fazer a comida, então ele fez por mim.  私は食事を作りたくなかったので、彼が私の代わりに作りました

2、A minha colega fez o trabalho por mim. Eu estava muito cansado. 私は疲れていたので同僚が私の代わりにその仕事をしました 

この場合のporは、「~の代わりに」を意味します。

受動文の動作主を表すpor

1、Aquele bolo foi feito por ela.  あのケーキは彼女によって作られました

2、”O Alquimista” foi escrito por Paulo Coelho. アルケミストはパウロ・コエーリョによって書かれました

この場合のporは、受動態の文章における動作主を表すときに使われます

前置詞のparaの使い方

目的地、方向を表すpara

1、Vamos para São Paulo no próximo mês.  来月私たちはサンパウロに行きます

2、Estou indo para o norte. 私は北に向かっています

この場合のparaは、目的地や方向を表すときに使われます

意図、目的を表すpara

1、Meu amigo trabalha muito para viajar. 私の友達は旅行するためにたくさん働いています

2、A Lúcia estuda para ser engenheira. ルシアはエンジニアになるために勉強しています

この場合のparaは、意図、目的を表すときに使われます

意見を表すpara

1、Para mim, essa decisão é muito boa. 私にとってその決断はとてもいいです

2、Para eles, tudo isso é comum.   彼らにとってそれら全ては普通のことです

この場合のparaは、意見(~にとって)を表すときに使われます

期限を表すpara

1、Este trabalho é para amanhã.  この仕事は明日までです

2、A entrega do documento é para sábado. 書類の提出は土曜日までです

この場合のparaは、期限を表すときに使われます

受け手を表すpara

1、Eu comprei um presente para você.   私はあなたにプレゼントを買いました

2、 Ele deu um livro para ela.   彼は彼女に本をあげました

この場合のparaは、ある動作の受け手を表すときに使われます

似たような意味で両方使われるパターン

1、Eu fiz isso por você.   私はあなたのためにそれをしました

2、Eu fiz isso para você.  私はあなたのためにそれをしました

日本語ではどちらも同じ訳になってしまうかもしれませんが、1は「私はあなたの代わりにそれをした」、あるいは「私はあなたのためを思って(動機)それをした」というニュアンスにもなります

一方、2は「私はあなたに(受け手)それをした」、または「私はあなたが~するため(目的)にそれをした」という意味合いにもなります。このニュアンスはもう一つ動詞を加えることでより分かりやすくなるかと思います。

Eu fiz isso para você entender melhor.  私はあなたがより理解を深めるためにそれをしました

3、Elas torcem pelo Flamengo. 彼女らはフラメンゴを応援します

4、Elas torcem para Flamengo. 彼女らはフラメンゴを応援します

文法的には3のほうが正しく、4は間違っているといった意見もありますが、実際会話では両方使われます

まとめ

以上が前置詞のporとparaの違いでした。これら以外にもまだまだ別の意味や使い方がありますが、だいたいここで挙げたのを抑えておけば日常会話では問題ないでしょう。

porとparaの違いを勉強するときにporは「~によって」、paraは「~のために」といったように日本語で覚えようとする人がいますが、それは絶対にやめたほうがいいです。porも時と場合によっては「~のために」という意味にもなりえるからです。これは前置詞に限ったことではありませんが、日本語で翻訳して覚えようとすると必ずそういう問題に直面しますね。なのでそれぞれの用法をざっとでもいいので頭に入れておくようにしましょう。

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