ポルトガル語のアクセントのルールが変わったって知ってた?

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もう何年も前のことになりますが、2009年1月1日に突然、「今日からポルトガル語のアクセントのルールが変わりまーす」などと言われて、それまで悪戦苦闘して覚えたアクセントの法則に変化が起きました。そのときに一体どんなルールの改正があったのかを紹介いたします。

先日、読者の方からこんなメールをいただきました。ありがとうございます。

ここ数年間でブラジル・ポルトガル語文法の改訂があったと聞いたのですが、本当なのですか?アクセント記号なども、一部は使わなくてよくなったと聞いたのですが、もしそうだとしたらブラジルの皆さんは困らないのでしょうか?突然の質問で申し訳ありませんが、管理人様のお時間がありましたら回答をお願い致します。

質問の答え

厳密にいうと、改訂があったのは文法ではなく正字法です。簡単にいうと「スペルのお話」です。

一体なんで急に2009年に変わったのかというと、一般人のレベルでは突然変わったようでも実際は1990年に世界のポルトガル語諸国数カ国が「Acordo Ortográfico da Língua Portuguesa de 1990 1990年ポルトガル語正字法協定」に合意して、それがブラジルでは約10年の月日を経て2009年に施行されたそうです。詳しくはこちらに記載されています。

Acordo Ortográfico de 1990

では実際どんな風に変わったのか見ていきましょう。2009年以前の古いポルトガル語教材で勉強している人は気をつけたほうがいいかもしれません。その前にそもそも通常のアクセントが分かっていないと困るのでこちらをまず読んでください。

ポルトガル語のアクセント表記 acentuação

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2009年に改正されたポルトガル語の正字法

1、アルファベット

それまでポルトガル語として認められていなかったアルファベット「k」、「w」、「y」が正式に追加されました。詳しくは「実は存在していなかったポルトガル語のアルファベット「k」「w」「y」」を参照。

2、Trema

それまで存在した「trema」と呼ばれる「ü」記号が廃止されました。この「u」の上についていた二つの点のことです。それまではpingüim、conseqüência、cinqüenta、tranqüiloなどに使われていました。

改正前

pingüim、conseqüência、cinqüenta、tranqüilo

改正後

pinguim、consequência、cinquenta、tranquilo

3、二重母音

二重母音のparoxítona (最後から2番目の音節にアクセントが付く単語)にはアクセントが付かなくなりました。

改正前

idéia, Coréia, bóia, apóio, paranóico

改正後

ideia, Coreia, boia, apoio, paranoico

4、 OO

「o」が2度続く綴りにはアクセントがなくなりました。

改正前

enjôo, vôo,  perdôo, abençôo

.改正後

enjoo, voo,  perdoo, abençoo

5、EE

「e」が2度続く綴りにはアクセントがなくなりました。

改正前

crêem, dêem, lêem, vêem

.改正後

creem, deem, leem, veem

6、同綴異義語(どうてついぎご)

二つ以上の用語が同じ形でありながら,それぞれ異なった意味をもっているような言葉にはアクセントが使われなくなりました。俗に同形異義語(homográfica)とも言われる単語を指します。

改正前

pára (動詞のparar), péla (名詞と動詞のpelar), pêlo (名詞)

.

改正後

para (動詞のparar), pela 名詞と動詞のpelar), pelo (名詞), pera (substantivo), pera (substantivo)

これはどういうことかというと、それまでは動詞のpararの三人称直説法現在形は前置詞の「para」と見分けをつけるために「pára」とアクセントを付けていました。しかし改正後にはこれがなくなったのです。名詞の「pêlo (毛)の意味」もまた、それまでは前置詞の「por」と冠詞の「o」を足した「pelo」と区別を付けるために「pêlo」とアクセント表記がされていましたが、これもなくなりました。

7、ハイフン

接頭辞(prefixo)と単語をつなげるために使われていたハイフンは「a」、「o」、「e」などの母音で始まる接頭辞に対してほかの母音で始まる単語には用いらない。また、「r」、「s」で始まる単語に対しても使わず、その代わりに「r」、「s」が二重になります。一方で接頭辞と母音と単語の母音が同じ場合にはハイフンが使われます。

改正前

auto-ajuda, auto-escola, contra-ordem, auto-retrato, anti-social, semi-real,  antiinflamatório, microondas,

改正後

autoaajuda, autoescola, contraordem, autorretrato, antissocial, semirreal,anti-inflacionário, micro-ondas

自分も知りませんでしたが、これはいまだに多くのブラジル人が間違えるスペルでもあります。最も間違えやすいのは「r」と「s」で始まる単語の場合で、接頭辞をつけるときには「r」と「s」を二回続けて書かなくてはなりません。例えば「retrato (ポートレート)の意味」という「r」で始まる単語に接頭辞の「auto (セルフ、自動、自分)の意味」を付ける場合は「autorretrato セルフポートレート」になるのです。

接頭辞については「接頭辞に隠された意味 prefixos」を参照。

まだまだ色々ありますが、細かいルールを説明するときりが無いのでこの辺にしておきます。かなりざっと説明しましたのでこれが全てではないです。質問にあった「ブラジルの皆さんは困らないのでしょうか?」の答えですが、もちろん困ります。特にポルトガル語教育に携わっている人、以前のルールでキャッチコピーや看板などを立てている商店、企業などはこれを機に大幅な見直しをしたに違いありません。

ただ、日常生活のレベルでいえば、スペルのルールが変わったからといって、ルールに服従して生活しているブラジル人なんてほとんどいないんじゃないでしょうか。相当優秀なポルトガル語の教授でもない限り、100%ポルトガル語のアクセントの法則を頭の中で暗記、理解している人なんてあまりいないので、生活の中で完璧を求められることはまずないでしょう。

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